喪中につき〜


師匠のお宅から喪中葉書が送られてきた。師匠は一応亡くなっているので奥様からなのだが、亡くなった本人手描きの自画像が入った喪中葉書なんて初めてだ、というか奥様は本当に師匠以上にオツな方である。
どうも未だに師匠がこの世にいないなんて全く想像出来ない。本人の通夜にも葬儀にも出て、棺桶覘いて、グラフィックぺンをいっつも忘れて「otoshimonoくん、ペン貸して」って突然訪ねてこられるとコワイからと思って沢山持たせても、である。
夢には普通に出てくるし、仕事で迷ったら声が聞こえて助けてくれるし、娘さんによると納骨せずに自宅にいるって日記に書いてたからお墓参り行っても仕方ないし、そもそも何処でも仕事してる人だから何かの間違えでボクがおっ死んでしまっても打ち合わせに出かけてて会えないだろうし。師匠の事務所に居た頃も打ち合わせだ何だって忙しくて飛び回ってたから、存在感は絶大なのにその場にいないって感覚は生きてた頃のママ。
で、この喪中葉書。初出はもう1年前の年賀状に描かれた家族イラストからの転用なので実際は知っている作品なのだが、これがポンと送られてくると「グフフ、どう? ボク、自分描くのって久しぶりでさぁ」ってリアルに照れてる顔しか思い浮かばなくて、まったく悲壮感がないというか、「喪中につき〜」なんて師匠のいつものブラックユーモアにしか見えない。
そういう訳でこれが一番最初に届いた来年の師匠の年賀状なので、机の前に貼っておきます。