隕石

高校一年生の夏、クラスで瀬戸内海の小島で一泊のキャンプをする実習というナイスな青春の1ページが用意されてまして。とは言っても《気になるあのコにコクっちゃえ》的なドッキドキな筋立てなど特になかったボクは、ホルストの惑星なんぞをウォークマンで聴きながら、満点の星空の下一人砂浜に寝そべっておりました(あぁ、高校生なのにナンちゅう厨房! だからモテんかったんやな)。
そしたら深夜2時を回ったころだったか、星がありすぎて何処から何処までが天の川かも分からんなった空を、一筋の眩い光がゴーと音を立てて目の前を駆け抜けました。しかも見る見るうちに色が変わっていく。そんで、その光の筋は東の海に向かって行きました。海まで達してジュって言った気もする。
「ナンやアレは!!」
一緒に見てたヤツがいたかいなかったかも忘れてしまいましたが、興奮し過ぎて殆ど眠れませんでした。兎に角次の日に眠そうに朝飯を炊いている担任に鼻息荒くしてその話をした訳です。
そしたら「火球やな。流れ星のデッカいヤツや。つまり隕石。時々見えるし殆どが途中で燃え尽きてしまうねんで。でも時々下まで落っこちてくる場合もあるわ。オマエが見たのは落ちてもせいぜい海やから安心やな」(但し担任は数学の先生)
「そうなんや、隕石なんや〜。スゲーもん見たと思ったけど、割と見る機会ってあるんか。また見れるかな」などと考えているうちに四十路を越すモヤシオヤジになってしまいましたが、先日のロシアの隕石騒ぎでそれを思い出した訳です。