手紙


先日、さいたま市立浦和高校吹奏楽部から封書が届いたので何かしらんと思ったら、中には手紙がドッサリ入っていました。
昨年の秋口から今年の春先にかけて部員とボクとのコラボレーションということで進めてきた部のエンブレムについての御礼が部員全員(事情を知らない新入部員まで!)分、ギッシリと書き込まれていたんです。
手紙と共に演奏会のパンフレットや部員募集パンフレットも同封されていて、このエンブレムにどれだけ思い入れがあるかということがココでも熱く語られていました。
彼女・彼等は普段は楽器演奏というファクターを通して日々成長をしているのですが、この件に関してはちょっと違った角度で取り組んだのです。
まずエンブレムの作成委員会を部内で発足させて(ボクのサゼスチョンを経て)アイデアを募集し、それを元にデザイン案をこちらで作成して提出し、部員で2案まで絞り込んだところで、それぞれの案についてチームに別れてプレゼンテーションをし、議論を重ね決定に至り、それをボクの方に戻してブラッシュアップし、仕様規定を作成してバリエーションを展開し、実際の媒体(パンフレットやステッカー、ノベリティ、ブレザーの刺繍エンブレムなど)に使用していく、というプロセスを踏んだのです。
これは一般企業などで商品を開発していく過程と大変似ており、高校生としてはナカナカ刺激的な体験だったのではと思います。手紙の中でも自分がどういう役割で今回の件に携わったのかを書いてくれた子、新入部員として入ったおりに出会ったエンブレムの印象を語ってくれた子、自分たちの思いやアイデンティティを重ね合わせてくれる子、結果的に自分が推した案ではないけど皆で話し合って決めたデザインを誇りに思ってくれている子、そういう一人一人の大切な経験が社会に出た時の血となり骨となると思います。
エデュケーショナルな意義の深いワークショップ的な制作物は今までも何度か携わってきましたが、今回の様に御礼の手紙がドサッとくる展開は予想をしていなくて、純粋に嬉しく思います。
こういった場を用意して頂いた顧問の先生に厚く(熱く!)御礼申し上げます。