ヒッソリとゴーカな

otoshimono2007-08-17

須川展也さんの元アマチュア門下生の方々が昔からヒッソリとやっている発表会を聴きに行って参りました。この会には月光浴住職さん、あさん、chiiくんのマムでもあるtetsuさん、以前演奏会をご一緒させていただいたokamuraさんなどが参加されています。ボクも今回はヒッソリとチラシのお手伝い。
ヒッソリとはしているのですが、演奏のレヴェルはナカナカ高く、今回も難しいソロやデュエット曲をどなたも素敵に演奏されていました。
そして最後は師匠である須川さんのスペシャル・ステージ。今回は作曲家の加藤昌則さんのピアノ伴奏による美しく熱いプレイ、ちょうど今レコーディング真っ最中の曲を披露して頂けましたよ! とても豪華なヒッソリ演奏会です。
で、終演後は打ち上げへ直行。須川さんを囲んで楽しく過ごしました。何しろ彼がデビューして間もない頃からの付き合いの方々ばかりなので、家族のような和みっぷりなのです。
今年から須川さん、指揮者にも挑戦されるということで*1、高校の後輩であり吹奏楽の指揮者としても有名な山田昌弘*2さんに棒のレクチャーをせがんじゃったり、某有名吹奏楽団で演奏活動している元アマ弟子のkeikoさんと熱心に話し込んだりしてました。あらあら、なんだか師弟逆転。その無邪気っぷりが須川さんのもうひとつの魅力です。
 
ボクは須川さんの演奏を聴くといつも仕事の内容に関する勉強を、
話をすると仕事に対する姿勢の勉強をしてしまいます。
彼の音楽の素晴らしさは、もちろん揺るぎないテクニックに裏付けられたものですが、それ以上に「表現」としての押しと引きの巧さがあります。普通は人に何かを一所懸命伝えようとすると「押してばっかりの表現」になりがちなんですが、須川さんはギリギリのところでスッと引いて真空状態を創り、その引力でみんなを惹き込んでしまう。で、キューっと吸い込んだ所でチカラを与えて押し戻し、今度はみんなを解放してしまう。ここにカタルシスを感じます。
これはデザインの仕事にも同じことが言えます。本当に人に何かを伝えたいなら、押せ押せのデザインではダメです。真空状態や解放される箇所を巧く創って、見る人の目線や呼吸を心地よくしてあげなければならない。これは難しいことなんですが、これが出来るようにならないと本当の意味での「デザイナー」にはなれない気がします。まだまだ修行です。
そして彼の仕事に対する姿勢の素晴らしさは、先ほど書いたエピソードとも繋がるのですが、その無邪気なまでの探究心、どんなところにも遊び心と謙虚さを忘れないこと、表現することによって前に転ぶことを畏れないこと、などなど。須川さんはそのものズバリを説教臭く語っているわけではありません。彼の話は普通の言葉で語られる、ともすると誰でもする普通の内容です。けれど何気ない楽しい会話のひとつひとつに、それらをヒシヒシと感じることができるんです。ご一緒する度にいつも何か新しい発見をさせていただき、ボクの人生の糧になっています。もはや須川さんもボクの心の師匠なのです。
 
で、一方emixは本日の発表会にも出演されていた須川さんの妹さんや、もちろん須川さんとも地元静岡の話で盛上がっておりました。この集まり、須川さんの地元が浜松なこともあって静岡関係がとても多いのです。彼女にとっては県人会の飲み会でもありました。とりあえず今日は常葉菊川が勝ちましたね。何か知らんけど静岡万歳!

*1:今年からヤマハ吹奏楽団の常任指揮者に就任されました。

*2:NTT東日本東京吹奏楽団、浦和吹奏楽団指揮者。来年SFCも参加予定の「さいたま市吹奏楽協会第1回演奏会」では指揮を担当していただきます。