何とか進行について

「年末進行*1でスケジュールがタイトですが、スミマセーン!」
とは雑誌や書籍の編集の常套句だが、はたと考える。
他にも似たフレーズを聞くぞ。
「2月は28日(或いは29日)しかないんでー」
「年度末進行なんでー」
「ゴールデンウイーク進行でして」
「連休で時間取られちゃってー」
6月だけ通常進行をして
「お盆進行で印刷所止まっちゃうんですよー」
「ボク、遅めの夏休み取るんでー」
「9月って何気に連休多いじゃないですかー」
これが終わるともう10月だ。
「年内に本にしたいんでー」
と来ると次はもう
「年末進行でー」である。
つまり編集は、一年中急いでるのだ。
なんだかんだ言って、制作時間はつねに少ないのである。
 
そう思えばヘッチャラだ。
そのスピードでいつも仕事すればいいだけだから。
時間はたっぷり欲しいと思っている方が見通しが甘いのだ。
無駄な時間を余裕と勘違いしてはいけない。
 
「相場の世界では、悪材料はお化けと一緒で、
 すべてが見えると怖くないものと決まっている。」
サブプライム・ローンの件でエラい経済学者が雑誌のコラムにこう書いていた。
しかし、これは何にでも当て嵌まる。
いけないのは規模を量れない事態を作ってしまうことだ。
そして、それはいつも相手のせいだとは限らない。
ここからがあなたの実力である。

*1:出版業界では印刷所や流通が年末年始の休みで止まっちゃうため、半月ほど早いペースで仕事の進行すること。他にゴールデンウィーク進行、お盆進行などがある。