120年めの装丁

東京堂の創業120年記念のパーティーでボスと帝国ホテルへお伺いしました。
東京堂は書店・出版・不動産を営んでいる会社で、その歴史は出版史そのものといえる老舗です。ボクも沢山の装丁をさせていただいております。
で今回ボクは、パーティー参加者と関係各位に贈られる、その120年の歴史を収めた年史の装丁を担当させていただきました。

2種類のクロスを重ねて貼ったものに黒箔押しの箱、やはりクロスに金箔押し・空箔押しの表紙、きらびき系の紙による総扉、という豪華な資材をふんだんに使い、重厚感なありつつも、どこか現代性を匂わせるシンプルな装丁に仕上げました。デザイナー的な希望としては細いゴシック(MB101-L)でタイトルの文字を置いて、さらにモダンにしたかったのですが、そこはセオリーにしてスタンダードに筑紫見出明朝でしっかりとさせました。



「何やってもいいから」という有り難いお言葉を頂戴して、滅多に出来ない豪華な装丁をさせていただきましたし、インクで刷ったのは総扉のみで、表紙と箱は資材と箔のみで見せるというのも初めてでした。
パーティー会場で、棟方志功さんの素敵な装丁などがガラスケースに入って展示されている横で、この本がひっそりと置かれており(年史だけは閲覧出来る)、嬉しいやら恥ずかしいやら(とは言っても今回ボクのクレジットは入れないで作成しているのですが)でした。
ところで、パーティーの方も豪勢でした。立食でしたが、ざっと4〜500人の参加者(多分エライ人ばかり)、一流のお食事、祝辞や乾杯は著名な社長様方、生バンドによるBGMと舞踊によう余興、目が回るほどです。目のやり場に困ってしまうような素敵なドレスに身を包んだセレブなご令嬢が沢山いらっしゃるパーティーが本当にある、という庶民にとっては貴重な経験もさせていただきました。