ヘキサゴンつれづれ。


夕刻からブラス・ヘキサゴンのコンサートで東京文化会館小ホール。大ホールではバレエの公演があるらしく、会館は大賑わい。バレエをやってる人たちってスタイルはいいし、天から吊り下がったような歩き方してるからすぐわかるね。最近は金管楽器の演奏者でもスタイルのいい人は増えたけど、呼吸や体重のかけかたが違うのか、やっぱりバレエダンサーのようにはいかない。金管楽器は足踏ん張って重心落として吹くからね。だから一見芸術家風のスタイルの良い女性がこの会場を歩いてたとしても、歩き方でどっちの会場に入るのか分かるわけだな。まぁ、そんなことは置いといて。
デザイナーってのは公演に関わる仕事をしているとはいえ、当日は本当にやることが何にもない。結婚式当日の新郎のようだ。
フライヤー→出来てる。というか、それを見てお客さんが来るのだから仕事としては完了している。
パンフレット→出来てる。会場で配られて、お客さんが読んでいる。たとえ文字の間違いがあってももう遅い。
会場物販のCD→出来ている。というか、今回の公演は3rdアルバムCDの発売記念も兼ねている。
会場物販のグッズ→出来ている。先日の記事参照。
とてもヒマなのだ。ロビーをウロウロするのだが、スタッフやマネジメントの皆さんは忙しく働いたり、物販したりしているので声もかけづらい。ときどき聴きに来てくださった業界関係者の方に声をかけられてご挨拶する程度である。演奏家本人は今日のメインコンテンツだし、本番前にモチベーションをあげているから黙って成功をお祈りするしかない。何と言うか、演奏を聴く以外は手持ち無沙汰なのだ。
次から「ヘキサゴン専属デザイナーによる写真合成でアナタもヘキサゴンのメンバーになれる! プリントすぐ出来ます。」とか実演物のグッズでも販売してもらおうかしら。
冗談はさておき、2週間前にはチケット販売で悩んでいたのが嘘のようにお客さんは満員だった。こうなるとプレイヤーの方も勢いづく。素晴らしい演奏が連発した。
3rdアルバム以降に書き下ろされたピーター・ミーチャンをはじめ、和田信さんや天野正道さんの新曲も鮮やかだ。ここのアンサンブルの特徴であるHorn(森さん)+Euph(外囿さん)+Tuba(池田さん)が織りなす円錐管*1サウンドは絶妙で、特に和田さん新作のShalomの冒頭はどこまでも柔らかく切なく美しかった。
またTrpの辻さん、長谷川さんの正確かつ思い切り良くかつ歌心のあるフレーズは安心して聴くことが出来るし、何と言ってもアンコールでの箱山師匠のトロンボーンは今夜も世界一冴え渡っていた。
終演後は関係者で打ち上げ。こちらも本番に負けず劣らず盛り上がった。外囿さんに「otoshimonoく〜ん、マッコリのビール割りがこれまたイケルんだよぉ!」と飲みかけのジョッキにドバドバとマッコリを注がれ、飲んでみたところ確かにウマい。「だろぉ〜? 韓国で教えてもらったの。みんなにも注いできちゃおっと」とマッコリのボトルを抱えて行ってしまった。「ビックルみたいでウマいんだよ〜」という氏の笑い声が向こうの席からも聞こえてくる。
しかしチャンポンっていうのはやっぱり後からクル。足はフラフラになるし、帰りの電車でキモチ悪くなって駅を降りてしまったのは氏には内緒である*2

*1:正確にはHornは円錐管ではないけど

*2:というか、注がれていた他の方々は大丈夫だったのだったのだろうか