リツィート

twitterにリツィートという機能があることは多くの皆さんご存知の事と思います。これはtwitter上のあるツィート(発言)に対し、「おう、オレもそう思うぜ」と思った人が、その発言を自分をフォローしてくれている人にも広める機能です。
で9月21日のことなのですが、夜に結構大きい地震が関東〜東北にかけておこりまして、そのタイミングでボクは「奈良時代だったら絶対大仏作るレヴェルだよな、今年は。」とツィートしたんです。だってねぇ、歴史の時間に習ったでしょ? 古代から中世にかけての日本では大災害とか飢饉とかが続いて国が疲弊すると、為政者の徳が低いからとか、信仰心が弱まっているからとか、そういう名目で大仏や大寺院を建立してましたよね。今から考えると国家事業による雇用の創出だとか政権の安定化とか、実政策のメリットなどもあったのでしょうが、まぁそんなこんなで奈良の東大寺の大仏(盧舎那大仏)は745年に計画が始動、752年に開眼供養会が行われたりしたわけです。
ボクとしては日頃と変わらないスタンスでの発言でしたので、そのまま放っておいたのですが、暫くすると隣の部屋で仕事をしているemixが「ギャー」とか言ってる。
何なんよ、と聞くとそのボクの大仏ツィートが300人越えのリツィートをしているというのです。芸能人でもアルファブロガーでも、フォロー数だって多くはないボクのツィートが、どういう経緯で広まったのかは不明ですが、翌日には倍の600リツィート、一週間足らずで1000を超え、その後ペースが落ちて最終的には1269リツィートで止まりました。1300近くのリツィートだと、どれくらいの方がボクの発言をご覧になったのかは分かりませんが、ネズミ算的に考えると(多分そこまででもないのでしょうが)トンデモない数です。
リツィート数が伸びている最中は、とてもよく似た内容で少し文面が違う発言が別の発信者名でemixの方に流れてくるという類似品(?)も現れましたし、ボクの発言に対して数えきれないくらいの多くの方から「本当にそう思います」とか「この発言吹いたww」とか「大仏作る前に原発なんとかして〜」とか反響があり、一人一人に返事が出来ないくらいでしたし、ボクのツィートをフォローしてくれる方(フォロワー)が一気に増えました。
とにかく、自分の何気ない発言が瞬く間に広まり、自分で制御出来ない規模で派生物が出来上がる様を目の当たりし、また何か気の利いた発言をする人としての期待を、見ず知らずの多くの人々に持たれる感覚というのを少しばかり体験しました。
1300足らずのリツィートというのは芸能人やオピニオンリーダー的な人々のリツィート数からすると、とても少ないのですが、業界の片隅でちぃとだけ知られているボクなんかにとってはドッキドキな注目度です。デザイナーというのは自分自身がコンテンツとして注目されるなんて一部の超有名デザイナーだけですから、どんなに大部数の書籍やCDの仕事をしてても世の中の注目を浴びることはまずない訳です。
今回のリツィートは内容と発言のタイミングがドンピシャだったとかあったのでしょうが、狙った訳でもない悪意のない内容であったこと、そういうみんなの気持ちの風の流れに上手く乗っかる軽さであったこと(つまり流行にのった)という事なのでしょう。
とにかく世の中の流れというものを学んだ2週間でした。
で、狙おうと思って発言すると今度はコケまくるんだと思います。こういうのを「一発屋」というのでしょう。いい子ちゃんぶったり、面白い人を演じるのは苦手なので、その後はつとめて平常心で呟いております。