エラーの歯車

午前10時にクライアントのオフィスで打ち合わせの予定だったのですが、30分遅刻してしまいました。原因は乗り合わせていた鉄道網が長時間ストップしてしまったからです。モバイル機器で車中から担当の方に事前連絡を入れておいたので打ち合わせ自体に差し支えはなかったのですが、ボクを含め本当に多くの人が同じ様な目に遭われたと思います。中には重要な案件で、ビジネス上で不備が出てしまった方もおられるかもしれません。
以前なら、年度始めから1ヶ月は鉄道遅延が多いことを経験上知っていたため、さらに30分早く出発するなどの措置を考えたものでしたが、会社員を辞めてから毎日鉄道で通勤することもなくなった分勘が鈍り「まぁ大丈夫だろう」なんて思っていたのがダメでした。
今回は、沿線火災による緊急停車→車両(もしくは線路)の不備による運転士による再点検での停車→急病人発生による緊急停車、という順番でトラブルが積み重なり、加えて通勤時間帯の過密スケジュールのために全駅に電車が長時間停車という事態に発展しました。
大きなトラブルというのは単独では起きないものですし、それぞれの小さなトラブルは元々関連性のない事象です。しかし、個々のエラーを小さいうちに個々で潰しておかなければ、大きなエラーの歯車になりかねません。一見関連性のない小さなエラー要因でも場合によっては連鎖してしまうことが多々あります。そして次第に積み重なったエラーは個々で制御の範疇を越えます。結果、自分の知り得ない多くの人々をトラブルに巻き込んでしまいます。
今回でいうと、沿線火災はその土地や建造物の管理者が火元の用心を怠らなければ鉄道運行に負荷をかけずに済んだわけですし、車両や線路の保守を厳格に行っていれば負荷がかかっても故障することがなかったわけですし、体調を考慮して薬を飲んだり出かける用事を控えたりしておけば、鉄道が長時間止まる事態になっても体調不良に見舞われる可能性は低かったはずです。これらのエラー要因を個々でひとつでも取り除いていれば、被害が拡大することはなかったはずです。
必ずしも部分の最適化が全体の最適化に繋がるというわけではないですが、全体の流れをスムーズにする方法のひとつとして、個々が自身に任せられた管理を怠らないように努めることがあるのは間違いないでしょう。それぞれの「まぁいいや」なんて考えが、全く別方向からトラブルに巻き込まれる原因を自ら呼び込んでいるわけです。
要は、本当にラクしたきゃサボるなってことです。反省です。