狎れるより習え

これだけは覚えておきたいライトノベルのための日本語表現

これだけは覚えておきたいライトノベルのための日本語表現

最近は絵師系のイラストレーターさんとの仕事が増えた。この本は輝竜司さんによる素敵な装画。文芸評論家の榎本秋さんと諸星崇さんによるライトノベルの技法書である。
ライトノベルなのだから勿論メインコンテンツはテクストであるが、このジャンルにおける挿画の影響力は絶大である。場合によっては挿画が本体を喰ってしまうほどだ。とはいえ、貧弱なテクストではいくら素晴らしい絵師さんに挿画を描いて頂いてもコンテンツとしては成立しないだろう。この本には創作のコツは勿論、小説を書くにあたってのそもそもの日本語の使い方から導入されている。本書にもあるように残念ながら今の義務教育でキチンとした文章を書く訓練をしてはもらえない。せいぜい読書感想文の添削程度だし、特に小学校教師の誰もが語学のエキスパートとしてのスキルを身につけている訳ではない。習うより慣れろというが、本気でテクストで勝負をしたいのであれば惰性で狎れるのではなく、一度キチンと学び直した方が良い。マズはこの一冊だけ読んでみるのも悪くないと思うゾ。