オレ版「舟を編む」

今日は本当に色んな方から色んなお誘いを受けたのですが、舟を編む仕事が大詰めを迎えておりまして家から出られませんでした。本当に申し訳ありませぬ。
ちなみに私の舟を編む仕事というのは辞書編集ではなく、辞書のフォーマット作りなのです。辞書編集さんの拘りを紙面に表すための微細な設定作業の積み重ねです。これが1000頁規模になるのですからやがて雄大です。言葉という列車が走る線路網や駅を設計するような作業です。
でも本当に大変なのは、私の作るシステムを運用する組版オペレーターさんです。私が作ったフォーマットをタグ付け処理で流し込める形に再構築します。プレーンテキストがXML処理を通してタグ付けされ、InDesignに流し込まれてどんどん組まれていく様は圧巻というよりウットリします。
組版というのは流し込んだだけでは殆どのページで何かしら例外が出現します。最終的には全ページを手作業でチェックしながら組んでいきます。せっかくページの辻褄を合わせても、校正でかなり遠い前のページから文字が押されて組版が台無しになることもあります。オペレーターさんの忍耐力たるや!
だから、早めな段階からオペレーターさんと相談しながら自動処理で組みにくいデザインは最適化していく相談もします。が、もう大詰めになってくるとそうもやってられないので、兎に角彼が困る処理はしないように心がけて設計します。が、編集の希望で凝った処理を求められたりもし・・・板ばさみイタタです。
同じ書籍でも辞書、教科書、参考書、実用書、理工学書、報告書、文学書、雑誌、マンガ、絵本・・・それぞれの用途に合わせたデザインだけでなくワークフローがあり、最適化される部分が違います。これを制御するのもエディトリアル・デザイナーの仕事です。