紙面設計


ボクのメインの仕事の一つに書籍の紙面設計という分野がございまして。
その中でもボクが割と手がけている辞書という分野は紙面設計の中でも随分と特殊な分野だと思います。見出しと解説で構成され一見単純に見える本文部分は、様々なアイコンや約物、ルビ(ふりがな)の設定、品詞や活用や読み、引用、用法、コラム等で構成され、規則正しいのに複雑怪奇で、しかもこれが1000ページ規模で展開されます。そのほかにも索引部分や凡例や出典に関する解説部分など、本文とは違った組版が求められもします。これらの全てを齟齬なく組版担当者が運用出来るように設計するというのは、実に多くの時間と検討を編集者と重ねながらの作業であり、一年など簡単に過ぎてしまいます。ボクにとっては検定教科書に次いで製作期間の長い仕事です。
昨年より三省堂さんの新明解四字熟語辞典【第二版】の紙面設計を仰せつかり、この6月末より販売が開始されました。仕事のご依頼を受けたのが昨年の夏の終わりでしたし第二版ということもあり比較的足の早い仕事の方です。とはいえ、第二版というからには初版があるわけで、それも随分立派な方が紙面設計をされています。それを踏まえた上で、新たな売りの部分をデザインとして付加しながらリニューアルをかけていくというのは、実際かなりのプレッシャーでして。まぁ醍醐味でもありますが。
今回のこの辞書のリニューアルのポイントの一つは読み易さに尽きると思います。判型は大きくなったものの、収録語が増えたので本文の文字の大きさを殆ど上げる事が出来ませんでしたが、それでも随分と読み易くなったと思います。そこには色んな秘密やテクニックが隠されているのですが、それは企業秘密ということで。

新明解四字熟語辞典 第二版

新明解四字熟語辞典 第二版