トルコアイスの男


さいたま市中央区は元は与野市といってとても小さな街でした。ここに与野公園という施設があります。ここに市の花として制定されていたバラが沢山植わっている大きなバラ園があり、1980年から始まり、さいたま市として合併した後でも毎年5月のこの時期に「ばらまつり」が開催されています。
さて、このお祭りも「花より団子」は用意されておりまして、地元や地方の物産ブース以外にも露天商のテントが多数軒を連ねます。終わってしまうと消えてしまう幻の街角は切なさと高揚感をもたらします。
で、露店をひやかしていると1軒のお店を見つけました。
トルコアイス。
「冷たくておいしい、トルコからやってきた不思議な伸び〜るアイス。」
素敵なフレーズなのに、なんか殺風景なお店。アイスの釜と男のみ。
トルコ人とみられる男は覇気がない。
あんまり無愛想なので買うのやめようかと思ったけど、男にお金を渡しました。そしたら無愛想な顔のまま、アイスの入った釜を長〜い棒でかき回し始める男。棒の先にアイスをつけ、コーンをピトっと引っ付けて棒を伸ばしてボクに渡してくれる・・・と思いきや、ボクが手に取った瞬間に棒を華麗に振り回してアイスを取り上げちゃう男。
クルクルクル〜っと棒を回して手元に来たアイスを手際良く棒から剥ぎ取り、ボクにハイッと手渡しする男。まぁ鮮やか。
でも無愛想な男。
伸び〜る美味しいアイス。
それはそれはエキゾチックなお味。
でも男は無愛想。