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森大地さんが主宰する kilk records が展開するライヴハウスの設立のお手伝いをさせていただいた旨を日記にて数度にわたり書いてきたが、先日、その感謝状と証明書とたくさんのCDが送られてきた。
実は彼に出会うまで、インディーズにおけるポストロック・エレクトロ・ミニマル・プログレ・サイケなどの音楽シーンについてキチンと向かい合ったことはなかったのだが、なんというか、今このジャンルの胎動の力強さといったらない。そう実感させてくれたのはやはりMagdalaの衝撃なのだが、こういった音楽が人々の心をより豊かにしてくれることを信じて活動を続ける森さんの心意気に打たれたし、その発信基地を東京ではなくさいたま市というまさに胎動の力強い街に選んでくれたことへの感謝として、ライヴハウスの設立の微細ながらお手伝いさせていただくことにしたのだ。
さてさて俯瞰するに、今の日本におけるポストロックやエレクトロ方面の音楽も他の業界のご他聞に漏れず玉石混淆ではある。音楽技術の電子化(DTM)が進んだことにより、宅録した素材などを集めてPhotoshopのレイヤーやエフェクトを扱う様にソフトウェアで加工すれば「それっぽいもの」が出来てしまうからだ。
「本物」と「それっぽいもの」というのは最初は見分けしづらい。丁寧に作られた北欧家具と、巨大量販店の北欧風家具が新品の状態では質の違いが判りにくい様に。
でもホンの些細な事でその違いは判別出来てしまう。真は細部に宿る。小手先の技術や感情や雰囲気に流されるだけの判断で動いているとブラッシュアップが乱暴になる。「それっぽいもの」は本当の意味での仕上げが丁寧でないのだ。そういった部分が丁寧な人と音楽や表現が、気が付くと抜け出てくる。そこを見極めるという意味ではこのジャンルは今相当面白いし、森さんの仕事には惹かれるものがある。