メキシコ音楽の祭典

昨日のエントリに続きますが、デザインでお仕事させていただいた公益財団法人東京オペラシティ文化財団さんの主催公演のご紹介第2弾です。
メキシコのミュージックと言われればマリアッチやカフェ・タクーバなどを思い浮かべる方も多いでしょうが、クラシック系音楽と言われてもピンとこない方も多いと思います。「エル・サロン・メヒコ」と答える方もおられるでしょうが、それはアメリカの作曲家であるコープランドが書いた作品です。言ってみればフランスの作曲家シャブリエが書いた「スペイン」みたいなものです。
日本ではポピュラーミュージックとして捉えられている「エストレジータ(エストレリータ)」を作曲したポンセという人は、実はメキシコのクラシック音楽界を牽引した人でした。
音楽はその国の歴史や政治と密接に関わっており、メキシコもその例外ではない、というより、むしろ度重なる独立運動や革命の歴史に積極的に関わってきた経緯があります。
そういう中から紡ぎ出されたメキシコのクラシック音楽は、初期においては西欧諸国に追いつけて的な、革命期においては自国の民族アイデンティティを奮い立たせる様な音楽が書かれており、実に多彩です。
そして耳を傾けてみると分かるのですが、どんな楽曲にも耳馴染みのよいポップス的なサウンド感が漂っており、非常に心地よいです。
小粋なBGMとしても楽しめそうな室内楽と、雄大なメキシコの歴史を俯瞰するようなオーケストラ音楽の両方が楽しめる、とても魅力的な公演です。


メキシコ音楽の祭典
─ 室内楽の夕べ ─
ギター:フアン・カルロス・ラグーナ
ヴァイオリン:アドリアン・ユストゥス
メゾソプラノ:ニエベス・ナバーロ
ピアノ:ゴンサロ・グティエレス
 
【ギター】
・ポンセ:南のソナチネ 
・チャベス:3つの小品(日本初演) 
・H.バスケス:ソナタ第2番
【ヴァイオリン&ピアノ】
・ポンセ:ソナタ・ブレーベ
・レブエルタス:3つの小品 
・ベラスケス:序奏と舞曲[無伴奏]
・ポンセ:ガヴォット
【ピアノ】
・ポンセ:メキシコのバラード 
・チャベス:ワルツ・エレジー(日本初演)
・L.Á.バスケス:ピアノのためのエニグマ
・アルメンゴール:キューバ組曲第18番(日本初演)
・アルメンゴール:キューバ組曲第10番《ファンタジー》(日本初演)
【メゾソプラノ&ピアノ】
・ポンセ:しおれた心
・ポンセ:エストレジータ 
・グリーバー:私の魂 
・グリーバー:さようなら 
・グリーバー:私に誓って 
・アルメンゴール:ああ愛しい人よ!(日本初演)
・アルメンゴール:優しさ(日本初演)
・アルメンゴール:あなたを信じています(日本初演)
 
日時|2014年3月28日[金]19:00
会場|東京オペラシティリサイタルホール
取扱|こちら


メキシコ音楽の祭典
─ オーケストラ・コンサート ─
指揮:ホセ・アレアン
ヴァイオリン:アドリアン・ユストゥス
ピアノ:ゴンサロ・グティエレス
東京フィルハーモニー交響楽団
 
・レブエルタス:センセマーヤ 
・ポンセ:ヴァイオリン協奏曲 
・チャベス:ピアノ協奏曲[日本初演] 
・レブエルタス:マヤ族の夜 
 
日時|2014年3月30日[日]14:00
会場|東京オペラシティコンサートホール
取扱|こちら