袴を染める作戦

怒濤の春夏秋と来て、冬に望むこの頃になって周囲を見渡す余裕が出て来たところ、もう来年の足音が聞こえてくる。そろそろ賀状の準備に取り掛からないと今年の様にまた元旦に間に合わなくなる。
とか何とか言いながら発注元が受注元というのは「まだ大丈夫ダロ」みたいな腹が〈頼む俺〉にも〈頼まれる俺〉にもあるのでツイツイ無精してしまい紺屋の袴は一向に染まらないのだ。いつまでも自分の尾を掴めずにダラダラと周り続ける虎はバターにさえならないのでタチが悪い。この無精虎の白袴現象はどうやらボクだけでなくデザイナーやイラストレーター仲間の全体的な傾向にあるようだ。
こうなったらデザイナーの友人たちで円環を描いてお互いの友人の賀状を仕事として発注するなどしてみてはどうだろう。そうなると締切りは間に合わせられるかもしれないが、自分が作った友人の賀状が自分の家に届くという妙な事態が起こる。何だか恥ずかしいのでやっぱりダメか。