母校前


夕刻、仕事の打ち合わせで母校の大学前の行きつけだったダイナーを使った。全くの偶然なのだが編集嬢が学会で上京して来ていた著者と母校で会う約束をしており、それを受けてのボクとの打ち合わせだったので適当な場所として彼女からここが偶然挙がった次第。
学生時代には夜な夜な備え付けのマンガを読みふけったり友人と延々と喋り倒したこの馴染みの場所で、よもや仕事をするとは思いもがけず。店のオーナーであるおばちゃんも、久しぶりにボクがやって来たと思ったら見知らぬ女性と仕事の話をしているので随分不思議そうにしていた。おばちゃんはブラバン一味の一人としてのボクしか知らないので、今は何をして食ってるのかも皆目見当が着かないだろう。
改装して居心地が良くなったテラス席から眺めた大学は、相変わらず面白くもない佇まいだったが、ボクには妙に新鮮に映った。