TOKAN

otoshimono2006-04-28

今日は東京佼成ウインドオーケストラの今年の定期シリーズのビジュアル素材集めのためにガラクタ楽器を買いに行った。新大久保にある中古楽器店。
あった、あったよ。古いケースに入った5000円のトランペットとすんげーオンボロの2000円のクラリネット。
ペインティングして撮影しようかな、などと考えている。
そしたら帰り様に店員のお兄さんが
「そのトランペット、トーカン製ですから」「トーカン?」
「昔の日本のメーカーですよ。ニッカン*1とトーカンってあったんです」
へぇ、トーカンは知らなんだ。
会社に帰って楽器たちをまじまじと見てみる。
クラリネットの方はYAMAHA製で、もう演奏出来ない程傷んでいる樹脂製の量産品。これはボクがゲージツ的に変身させてあげよう。
そして気になるのはトーカンのラッパ。
確かに「TOKAN」って書いてある。マウスピースにも書いてある。右手の小指をかける部分なんて、形も変わっててしゃれてる。
気になったのでホームページでいろいろ調べてみる。TOKAN、東京管楽器という会社。今はもうない。そして今となっては謎の多いメーカーらしい。兎に角現在残っている楽器も少ない。
さらに調べてみる。
世の中にはマニアックな人がいるもので、TOKANの楽器を調べている人がいた。そして、ボクが5000円で購入してもうすぐスプレーで色を塗りたくられる運命であるこの楽器「LYRICAL TOKAN No.3」は、少なくとも1970年前後に製造されたものらしい事が分って来た。ボクと大体同い年か年上かぁ。三十ウン年の時を経て、中古楽器屋の棚の下の方で値札も付けられずにひっそりと売られていたトランペット・・・・
なんだか愛おしくなってきた。

*1:日本管楽器、現在のYAMAHAの管楽器部門