同行二人+1

二度栗山という丘が近所にある。なんでも昔、ハラペコの弘法大師*1がここで少年に栗を分けてもらい、お礼に一年に二度栗の実がなるように木に魔法をかけた、という場所らしい。
希代のマジックパワーの使い手である空海ともあろう人が、栗を実らせるパワーがありながらハラペコってのがなんともドラゴンボールチックで楽しそうだ。早朝mittenを連れて行ってみることにした。
夏の二度栗山は鬱蒼としていた。早速栗の木を探したのだが見当たらない。何でも戦後すぐに枯れたかなんだからしい。弘法も栗のあやまり。愛しのマジカルマロン。残念だ。
それでも何か弘法大師にアヤカリタイなぁとウロウロしていたら

な、なんじゃこりゃあ! 助けて!みうらじゅん!!
近寄ってみると「二度栗山 弘法尊院 四国八十八ヶ所霊場巡り」とある。なになに「この塔の石仏、石碑は以前二度栗山の周りにおかれて、その道筋を辿り巡ると四国霊場を巡拝したのと同じ功徳が得られるといわれておりました。その後〜中略〜一箇所にまとめたものです。この巡礼塔の周りを『南無大師遍照金剛』と唱えながら、一周ごとに鐘を尽き四周して下さい。最後に正面にて礼拝して下さい」とある。一周一県ってことらしい。
なるほど、近づいてみると「七十九番 金華山 天皇寺 讃州河野郡」などと書いてある。本当に八十八あるっぽいぞ。一番てっぺんに据えられてるのが・・・ウーン、ありゃ、弘法大師だな。富士塚みたいなものか。
日本人はこういうミニチュア&お手軽なご利益テーマパークがホント好きだなぁ、とか言ってボクもしっかり巡りましたよ。mittenも不思議そうな顔をしながら一緒に巡ってました。犬にもご利益あるのかしらん。

*1:空海(774-835)。香川県出身。遣唐使の留学僧の経歴を持つ日本真言宗の開祖にしてエンジニア、思想家、書家。日本各地で数々のマジカルパワーを発揮し、人民のヒーローになる。高野山ではまだ死んでないことになっていて、かれこれ1171年座禅を続けているらしい。毎日食事と替えの衣服が仕侍僧によって給仕されている。四国八十八霊場は彼が若い頃修行した地を江戸時代のお坊様が修行ツアー化したもの。