バ!ロック?バンド。

来年一月の「さいたま市吹奏楽協会第一回演奏会」の羽倉橋吹奏楽団のステージでヘンデルの「水上の音楽」から一曲演奏するのだが、これがなかなか苦戦している。同じステージで披露する「ゲバゲバ90分」は大層素晴らしく演奏できるのに、である。
SFCのようにブラスアンサンブルを普段から活動していると、自ずからバロック音楽を演奏する機会が多くなる。初見練習でも、バロックであれば最初からある程度のニュアンスを全員がつかんで演奏するのでテンでトンチンカンなことはないのだが、吹奏楽ベースの楽団ともなるとそうもいかない。
クラリネットやサックスなど、古典期から近代において出現した一枚リードの木管楽器などは、圧倒的にバロック音楽を演奏する機会が少ない上に、吹奏楽ベースで活動しているとなると、これは皆無に等しい。
世界で最初の大規模編成の吹奏楽曲として初演されたのは、おそらく同じくヘンデルによる「王宮の花火の音楽」だが、これだって指定楽器はオーボエ24人、ファゴット12人、ホルン9人、トランペット9人と打楽器である。現代の日本のアマチュア吹奏楽の標準編成ではまず演奏不可能である。
で、バロック音楽の演奏で何が大変かというと吹き方である。バロック音楽は音楽の仕組みが単純だし、細かい表現指定の表記が譜面でなされないので、そのまんま吹くとフレーズのキメどころすらハッキリしない。装飾音符のかけかたなど、勉強を始めるとキリがないほどだ。これは数多の演奏を聴いたり、また自分で演奏したりしながら身体に染み込ませるしかない。最近はピリオド楽器による復興型の演奏も多いが、モダン楽器でだってもちろん演奏する訳で、楽器の特性に頼らねばならないものではない。音楽として上手く聴かせるために、まず単純なこと〜音を美しく発音出来るか・フレーズをそれらしく演奏できるか・他のパートとのバランスを制御出来るか〜が演奏家の方できちんと出来ていないと話にならないのである。演奏家の技量が素で出てしまうので厳しいが、これがチャンとできれば怖い物無し、な音楽である。
とにかく、ハネクラでは初めてのジャンルの音楽。本番まであと数回の練習でどこまで「バロックっぽい」ニュアンスをつかめるか、まずはそこが課題だ。


さいたま市文化事業補助金助成事業
さいたま市吹奏楽協会第1回演奏会
ニューイヤー・コンサート

とき:2008年1月13日(日)
   開場12:30 開演13:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場
   音楽ホール
料金:入場無料
 
後援:さいたま市教育委員会
   埼玉県吹奏楽連盟
URL:http://sw-a.info/