訃報。

作曲家の中橋くんより吹奏楽業界関係者二名の訃報を聞く。お二方もボクやemixとは昔からの仕事仲間であった。
お一人はボクと同い年。プロ吹奏楽団のマネジャーを経て、吹奏楽サイトも運営する録音制作会社でプロフェッショナルとアマチュアの架け橋をしてきた。
もう一人はボクより年上の楽譜出版社の社長さん。日本の吹奏楽のレパートリーを充実させるため、日本の作編曲家の作品を世に広めるため、日夜奮闘されていた。
演奏家とは違う、言わば業界のインフラに携わる仕事で日本の吹奏楽を支えてきた二人だ。
それがほぼ同じ日に、同じご病気で。
言葉が出ない。
同い年の彼は、この夏も埼玉大学吹奏楽部のコンサートでお会いしたばかりだった。彼は録音のプロデューサーかディレクターで会場入りしていて、リハ中にお互い「忙しいね」などと話した。
社長さんの方は今年の2月にメールの履歴が残っていて、emixと仕事のやり取りをしている。吹奏楽の世界では有名な指導者の編曲作品で、確かこの仕事は未完だ。
お二人とも吹奏楽が本当に大好きで、忙しいながらも嬉しそうに話す姿が印象的だった。「今度こういうイベントやるんだよ」「この楽譜見てくださいよ」、仕事の時はいつも目がキラキラしていた。
勿論意見が合わす、ぶつかり合うこともあった。けれど「この業界をなんとか良い方向に持っていきたい」という気持ちは一緒。だから、それぞれの立場から支え合ってきた。
ボクたちの財産は人との繋がりだ。何か問題が発生した時、「あ、アイツがいるよ!」っていうのがとっても重要。
そんなアイツを業界はいっぺんに二人も失ってしまった。
まだまだ、やってもらわなければならないことが一杯あったのに・・・
 
いやいやお二人とも! 今は下界の葬式やら、神様や仏様の事務所との書類や、天界のパスポートの手続きで色々大変そうだから、一段落したらそちらにいらっしゃるフェネル博士やリード博士や兼田敏先生とも話をして「もっとこうしたらいいんじゃない?」っていうメールでも頂ければ有り難いです。ボクは二人ともいなくなったなんて思ってませんよ!