ZIPANG!

Trombone Quartet Zipangの第10回公演を聴きにすみだトリフォニーホールへ。先日のレッスン*1でもお世話になっている岸良開城さんが《ZIPANG》のメンバーなんです。
会場である大ホールは満員とはいかないまでも、それに近い印象。たった4人でこんな大きな会場を埋められるクラシカル系の管楽器アンサンブルは他に須川さんたちのトルヴェール・クヮルテットくらいしか思いつきません。
内容は彼らが今まで演奏してきたレパートリーから人気投票で上位になったものだけで構成するというファン・サービスに徹したもの。モチロン素晴らしい演奏。
メンバーでアレンジも担当する吉川*2さんが話していた「トロンボーン・アンサンブルのために書かれた名曲は数あれど、本当に普通にお客さんに喜んでいただける曲はそう多くないんです。僕たちは皆さんに楽しんでもらえる世界中の名曲を、トロンボーン・クヮルテットでこれからもどんどん演奏していきたいと思っています。」という言葉が印象的でした。音大生やアマチュア演奏家に多いのが『アカデミックで技巧的な作品を上手く演奏さえすればOK』的な考え方です。コンテスト・ピースなら良いのですが、普通のコンサートでこれをやられては聴く人の立場に立っていないんです。高度な技術なんて感じさせないくらいの歌心でお客さんに楽しんでいただく。プロフェッショナルの心意気を見ました。
さて、コンサートの進行役は女優の檀ふみさん。緩急自在にメンバーを手のひらで転がす演出は見事。まるでテレビ番組でも観ているかのようなテンポの良さで夢のような時間はあっと言う間に終わってしまいましたが、ボクたちの心にはしっかりと温かいモノが残りましたよ。

*1:id:otoshimono:20080928

*2:吉は本当は土に口の方