ハードル

NAPPくん(中橋愛生さん)に頼まれていた名刺が出来上がったので、渡しがてらプチ飲み会。来週初演する委嘱作品の練習録音を聴いてもらってプププッとアドバイスをしてもらったり、最近のお互いの下ってたり下らなかったりの話題で楽しく過ごす。
その中で、彼はこんな話をしてくれた。
ある演奏会で同じく作曲家の長生淳さんと同席した時、長生さんが「僕の曲ってサックスがやたら難しいって言われるんですよ」って言うのでNAPPくんは「僕はユーフォです」と返して笑い合ったそうだ。「お互い、影響受けた演奏家がねー」って。
長生さんは須川展也さん(「英雄の時代」やトルヴェール・クヮルテットの作品など)と、NAPPくんは外囿祥一郎さん(「とっかあた」やブラス・ヘキサゴンの作品など)と組んで名作を世に送り出している。演奏家と作曲家が互いに高め合い、新しい作品を生み出して行く。こう言うことは昔から多く見られる話で、古くはモーツァルトが友人のクラリネット奏者・アントン・シュタードラーのために有名なコンチェルトを書いたし、メンデルスゾーンはフェルディナント・ダーヴィトに有名なヴァイオリン協奏曲を献呈している。
しかし、そうなってくると、作家の楽器に対する「これくらいは演奏できるでしょう」っていうハードルがソロ以外の他の楽曲でもどんどん高くなってきてしまうのだ。結果、長生さんの曲はサクソフォン・パートが、NAPPくんはユーフォニアム・パートがやたらハイテクニックになってくる。
これ自体は悪い事ではない。こうやって楽器や音楽は発達してゆくのだから。実際、彼らのオーケストレーションは実に効果的だ。
何でこんな話題になったかというと、今回の《マルカブの矢》もユーフォニアムがやたら難しいのですよ。つまり、これはホカゾノ効果なのです。初演担当のobara氏、自分はショーイチローだと思い込んで吹いてください。
じゃぁほかは簡単かっていうと・・・カナリムズカシイのですが・・・
頑張れ・・・俺たち・・・。