トークイベントに出かけた。

デザイントーク in TOPPAN vol.10 装丁にみる本の魅力とこれから》というトークイベントを聞きに印刷博物館へ。出演は津田淳子さん、寄藤文平さん、大島依提亜さん。津田さんは我々の業界では名の知れた雑誌「デザインのひきだし」編集長。寄藤さんと大島さんは今注目のデザイナー。全くのボクと同業者(ボクは全く注目されてませんが)。それはそれはボクたちを楽しませてくれる、素晴らしい仕事の数々をされるお三方です。
今回、同業者がアレコレと同業の事を語るトークイベントというものを初めて聞いた。しかも3人とも少し年上か年下かぐらいで同世代で過ごしてきた時間軸も同じ。
で、感想なんだけど、多分、彼らがボクより10歳くらい年上で、つまり、ボクが10歳くらい若くてこのイベントを聞いたら、さぞかし刺激的だったんだろうなぁ、と思った。つまり、不思議なことに、今のボクには刺激的ではなかった。
確かに彼らの仕事は出会う度に唸る程素晴らしく、ワクワクとドキドキに満ちていて、それでいてとても丁寧だ。彼らのようなデザイナーがいてくれて、彼女のような編集者がいてくれて、本当に嬉しい。頼りになるし、これからも大いに活躍してほしいし、ボクが言わなくてもするでしょう。ボクが何か言うのも大きなお世話だ。
だけど、何と言うか、妙な気持ちになった。ボクがこういうイベントを今まで聞きに行かなかったのは、美大出でも美術系専門学校出でもない、いわば『ノンキャリ』なボクが聞くと、嫉妬しちゃって惨めな気持ちでスゴスゴと会場を後にするに違いないと思っていたからだ。でも先日、twitterで凸版の主催者の方に誘われて遂に覚悟を決めて行く事にして、でも当然「嫉妬して惨め」になるもんだ、と思っていた。ところが、ちっともそうならなかった。
じゃあ、批判的な気持ちになったか、と言うとそうでもなく、「オレもそんくらい知ってるしやってるぜ」的な優越感に浸ったかというとそうでもなく、なんとも整理のつかないモヤモヤした気分になった。
なんなんだろう。全くわからん。いや、話は解りすぎるくらい微細に解った。デザイン業界全体の話から、実際の細かいデザインや印刷テクニックの話まで、何から何まで。全て至極モットモな話をしていた。多少は情報も得られた。
しかし、う〜ん。不思議だ。オレは何を期待していたのか、何を恐れていたのか、全くわからん。全く以て妙な気持ちだ。
なんか尻切れ蜻蛉だが、まとまらないのでこの辺で終わり。