バストロのまち、いわき


続けざまにトロンボーンのネタですが、本日はバストロンボーン奏者の黒金寛行さん(NHK交響楽団)と篠崎卓美さん(読売日本交響楽団)によるチャリティコンサートに伺ってきました。お二人ともいわきの出身であり、復興支援プロジェクトとしてこれから5月6月、7月にも開催が決まっております。日本を代表するオーケストラのバストロンボーン奏者2人がいわき市というひとつの街の出身であるという事実は、いわきに移住すればバストロンボーンが上手くなるのではないかと本気で考える人が出てくるくらいのレア度です。本日のパンフレットの裏にはいわき産の農産物のお取り寄せ先が載せられておりましたが、もはや「バストロのまち、いわき」として国道に看板を置き、ご当地ヒーロー「いわき音楽戦隊バストロン(仮)」がイベントを闊歩するべきでしょう。「バストロで復興&町おこし」という前代未聞のプロジェクトは音楽界と地方自治行政に衝撃をもたらすに違いありません。
という事を抜きにしてもバストロンボーンのソロはともかくデュオが聴けるリサイタルというのは世界中探してもそうそうあるものではないです。5月からは高嶋圭子さんによる連続委嘱作品も始まりますし、これはチャリティでありながら、実にユニークなコンセプトのシリーズになる予感がします。
そして、演奏はモチロン素晴らしいの一言に尽きます。バストロ云々以前にお二人の音楽家としてのクオリティの高さを感じずにはいられません。それに加えてバストロンボーンの可能性をぐいぐいと押し広げて行くのですから頼もしいったらありゃしない。

復興支援プロジェクト
いわき市出身のバストロンボーン奏者による
チャリティー・コンサート
日時|2011年4月29日[金]17:00開演
会場|アーティストサロン“Dolce”
協力|ドルチェ楽器
出演|黒金寛行さん(NHK交響楽団)
   篠崎卓美さん(読売日本交響楽団)
   城綾乃[ピアノ]
曲目|・ソナタ/J.B.ボワモルティエ(篠崎・黒金)
   ・ソナタ〜vox Gabrieli〜/S.シュレック(黒金/城)
   ・ロマンス/M. ブルッフ(篠崎/城)
   ・歌劇「フィガロの結婚」より/W.A.モーツァルト
     (篠崎・黒金)
   〜休憩〜
   ・パストラーレ(篠崎・黒金/城)
   ・ORACION/篠崎卓美(篠崎/城)
   ・スペイン/D.フェッター(黒金:無伴奏)
   ・悲愴ソナタニ短調/M.I.グリンカ(篠崎・黒金/城)
   ・アンコール1:A Song for Japan/Steven Verhelst
     (篠崎・黒金/城)
   ・アンコール2:ふるさと/岡野貞一(篠崎・黒金/城)
※この演奏会の収益金は全額、いわき市吹奏楽連盟を通じて今回の震災によって被災した学校の楽器修理、購入費等として寄付致します。

さて、終演後は黒金さんに誘われてお二人主催の「福島の酒を呑む会」になだれ込みました。関係者のみならずファンの方々も参加されたのですが、まぁ、当たり前なんですが殆ど全員がアマ・プロ問わずバストロ吹きなんですね(ボクもだ!)。空前絶後のこの集まりは福島の美味しい酒を頂きながらバストロならではの悲喜こもごもを語り尽くすという、かなり珍しく濃い会合となりましたことを皆様にご報告いたします。
次回は多分、5月のお二人の演奏会の終演後に開宴予定なのではないかと思われます。全世界のバストロ吹きの皆様、ご期待下さい(何に?)。