Torio Sync.


ボクが心の底から聴きたいと思うアーティストの中でもTrio Sync. は、ちょっと特別です。見た目はタツノコの悪玉トリオみたいですが(皆さんゴメン!)、表現者として本当に素晴らしいんです。
結成を前後して図らずも東日本大震災が起こり、故郷(いわき)に何か力添え出来ないかと始めた篠崎卓美さんと黒金寛行さんの思いと、それを汲んで寄り添う城綾乃さんの思い。それに呼応した高嶋圭子さんの作品「春の呼ぶ声を聞く」が東京で毎月行われたチャリティコンサートで一楽章ずつ披露されていく中で、次第に音楽が高みに登ってゆく様が圧巻だったというか、音楽という表現のひとつの究極の形を当時感じていました。
そして数年を経て今回の公演ですが、それらを全て彼らの中でキチンと消化した上で、なお豊穣に進化していたというか、バストロンボーン2本とピアノという一見変則的なトリオが、ヴァイオリン・チェロ・ピアノのようなメジャーなトリオと何にも変わらない、室内楽として上質な音楽をオリジナリティを以て提供しうるのを証明してくれたというか、そういう嬉しさを感じました。
今回、大阪・名古屋・東京と3箇所のツアーはどこも大入り満員だったということですが、もっともっともっと、(バス)トロンボーン吹きだけでなく、多くの人に聴いてもらいたいトリオです。

UNDER THE BLUE SKY

UNDER THE BLUE SKY

  • アーティスト: 黒金寛行篠崎卓美,ダーヴィド,高嶋圭子,フェルヘルスト,中川英二郎,ジャクソン,篠崎卓美,黒金寛行
  • 出版社/メーカー: HARBOR RECORDS
  • 発売日: 2012/03/07
  • メディア: CD
  • 購入: 4人 クリック: 11回
  • この商品を含むブログ (1件) を見る