つけナポ

ご当地グルメと言われる類いのメニューの多くは町おこしブームに乗ってここ十数年の間に生まれたものが多いように思う。あまり皆さんご存知ないと思うが讃岐饂飩の「ぶっかけ」だってボクが過ごした高校生の頃(1990年)まではメジャーなメニューではなかった。これは明らかに昨今の讃岐饂飩ブームと共に定着したメニューだ。
広島は父母の故郷で今も住んでいるが、やはりボクが子供の時分はご当地グルメといえば広島(風お好み)焼きしかなかった。今では「広島風つけ麺」なんてものもあるらしい。先日秩父のあたりで食べた味噌ポテトなるものも同じ類いであろう。
別に文句を言っているわけではない。ウマいのならご当地グルメがいつ発明されようが関係ないということである。
で、本日池袋ブーミンで食べた「つけナポリタン」なるものは静岡は富士市のご当地グルメとして強烈に推されているメニューであり、ここは首都圏でそれが味わえる数少ないお店だ。
まぁ落ち着きたまえ。はっきり言ってウマい。
なぜ富士のご当地グルメがナポリタンなのかはイタリア帰りのこの私(嘘)ですら見当がつかない。しかし、トマトベースのつけ汁(チーズ入り)にパスタっぽい麺を浸して食すこのスタイルを、何故イタリア二千八百年の歴史で思いつかなかったのか、ナポリっ子が見たら地団駄踏むに違いない。もっともエルナン・コルテス(スペイン人)が南アメリカから持ち帰ったトマトがイタリアの地に定着したのは18世紀のことであるが・・・。
ちなみにフォークでは食えない。やはりこれはイタリアンではないのだ。