3つのシャンソン

ボクはドビュッシーという人を全く誤解していて、ずっとオケかピアノなどの器楽曲ばかり書く人だと思っていた。だから、この度さいたまファンファーレクラブ第16回演奏会で披露するでトロンボーン四重奏《3つのシャンソン》という曲もピアノ曲か何かからのアレンジだと思っていたのだ。その楽譜の裏面に長々とテクストが書かれていたんだけど、ボクはもう原曲も器楽曲と思い込んでいたので、インスピレーションを受けた詩作を参考に載せているのだろうかと言ったら、e-manaくんに「それは歌詞です」と諭され不勉強を恥じた。
ドビュッシーが歌曲を書くとは本当に知らなかったので、家に帰って早速調べてみたら、よくもまぁ短い生涯の間に書くも書いたものだというくらい、歌曲が出てくる。印象としては作品中半分くらいが歌曲の勢いだ。
で、問題の《3つのシャンソン》は正式には『シャルル・ドルレアンの詩による三つの歌(Trois Chansons de Charles d'Orléans)』といい、これまた珍しいことにドビュッシーが書いた、唯一のアカペラ重唱曲だという。
早速ネット上で見つけた楽曲を聴くと、その歌詞の呼吸と共に抑揚する浮遊感と音像にすっかり魅了されてしまった。中世の世俗カンタータのようでもあり、コンテンポラリ作品のようでもあり、また非常にドビュッシー的であり、底のない得体の知れなさがとても良い。

The Cambridge Singers conducted by John Rutter(楽譜付き)

Croatian Radio Television Choir(2010年にZagrebのMimara Museumにて収録)
 
1. Dieu! qu'il la fait bon regarder (1898)
  神よ、なんと彼女を美しく見せ給うことか
2. Quant j'ai ouy le tambourin (1908)
  太鼓が鳴り渡る時
3. Yver, vous n'estes qu'un villain (1898)
  冬よ、お前は嫌なやつだ
poèmes de Charles d'Orléans (1391-1465)
 
ドビュッシーの歌曲をもっと聴いてみようと思う。

ドビュッシー歌曲集

ドビュッシー歌曲集

  • アーティスト: ヘンドリックス(バーバラ),ドビュッシー,ベロフ(ミシェル)
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/07/26
  • メディア: CD
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まずはここらへんからか?