shift

実は今年に入って一枚もCDのデザインをしていない。昨年まで二ヶ月に1〜2枚のペースで制作してきたのにピタリと止まった。
その代わり演奏会向けのデザイン(フライヤ・パンフレット場合によってはノベリティやチケット)が格段に増えた。一ヶ月に2公演以上の勢いで依頼が来る。
独立してボクの仕事のスタイルが変わったわけでも、音楽制作に関するクライアントが変わったわけでもないし、デザイン料金について値上げとか逆にディスカウントしたわけでもない。
実のところ言うと、クラシック系のデザイン料金に関して言えば、コンサート1公演あたりにかかるデザイン代合計と、CD制作のデザイン&アートワーク代は、さほど変わらないのだ。
なのでボクにとっては、CDの仕事が無くなりましたからアー財布がお寒うございます、ではない。結果的にCDのデザイン依頼がスッポリ公演のデザイン依頼に変わってしまったのだ。
これは実に興味深い。
単にボクの仕事が今年になって公演メインにシフトしましたって事ではないと思うからだ。
こう仮定する。混迷を極める政治と経済を受けての世相、融合されつつある実社会とネット社会など、様々な事情を背景に今、音楽は再び「持つモノ」から「体験するコト」へ転換しつつあるのではないだろうか。だから同じお金をかけてパッケージするべきものが「モノ」から「コト」へシフトしているのではないか、と。
この事を裏付けるトピックや自身のエピソード、データも集まりつつあるので、まとまったところからポツポツ書いていこうと思う。
あ、「誰吹*1」のコミュニティ・バンド編をお待ちの皆様、申し訳ない。もう少し待って。こっちも新しい切り口を見つけられそうなので。

*1:「誰が吹奏楽を殺すのか」気になる人は左上のHATENA::DIARYの横の検索ボックスで探してみよう。