遅ればせながら

Adobe® Creative Suite® 5.5 Disign Premiumを購入しました。かなり長い間CS3を使っていたし、これから暫くもCS3を使い続けると思うけど*1、これから平行して導入します。
ボクは電子出版を既存の出版と分けて考えていないのですが、今のところは共通していない技術もあります。しかし、そういった部分をカタクナに嫌って習得しないのもバカバカしいと思うのです。
かつて、大先輩デザイナーの中には「紙と鉛筆で指定するデザイン方式こそが汎用性があって万能だ」と信じてカタクナにDTPソフトの習得を拒んだ人々がけっこういらっしゃいましたが、その結果は仕事を大幅に失って廃業に追い込まれた方も多く、かなり後になって苦労して習得された方も見てきました。
確かに彼らが仰られるように、出版デザインの基礎はやはり今でも、指定紙にちゃんとレイアウトを描きおこせる力と知識、印刷版下を作れる技術が下地になければならないと思いますが、今やその上に載っかるDTP技術抜きでは出版界自体が成り立たないのは誰もが認めることですし、さらにその上に電子端末上で見せるための出版物を制作する技術も載っかってくることは明白です。
ボクがiPadが出た時から第二世代を待ってて、iPad2の発売すぐに買ってゴソゴソしているのもその為です。
また、音楽の世界も変わりました。音楽ソフトはお店でパッケージを買うものでなく、ダウンロードするものになりはじめています。今や擬似的ですがUstreamなどを通してライヴさえ世界中で同時に楽しめる時代です。すると今までその音楽ソフトやライヴに付随していたパンフレットやノベリティの在り方も当然変わってきます。
勿論これからもパッケージされたリアルなモノとしての音楽ソフトはなくならないでしょうし、擬似的でないライヴは寧ろそのアーティストと場所と時間を共有する最も贅沢な「コト(イベント)」として一層の価値を持つでしょうから、そこでしか手に入らないパンフレットやグッズの数々は益々価値の高いものになるやもしれません。
しかし、そこだけを信じてカタクナにしていると、先述の先輩デザイナーさんのようになってしまいます。技術というのは温故知新ですから、つねに先達が積み上げて来た技を基礎にして新しい術が搭載されることにより芳醇になっていくのだと思います。
どんなに年をとっても、その姿勢だけは崩さずに貪欲でありたいと思います。
それが良かろうが悪かろうが、つねに新しい世界が見たいもの。

*1:現状のモノを制作する分には、CS3で何にも困らないからね〜