気軽にクラシックVol.4

コンサートが終わりホールを出ると夕立の後らしく、雄大な雲が空のキャンバスに描かれていました。

デザインでお手伝いさせていただいたさいたま市プラザウエストのシリーズ企画「気軽にクラシックVol.4〜NHK交響楽団の俊英メンバーで聴く弦楽四重奏曲の名曲集」にお伺いいたしました。録音や放送では何度も鑑賞している弦楽四重奏というフォーマットを、コンサートホールに座って真面目に聴いたのはおそらく初めてだろうと思います。今回は古典〜ロマンの弦楽四重奏の名曲を楽しむ内容でした。プラザウエストのような比較的地域住民の利用を念頭においた地方公共文化施設としてはかなり渋めのラインナップだったと思いますが、大曲であるシューベルトの弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」などは格別の熱演でしたし、お客様の満足度も相当高いものだったようです。
私たち演奏会制作に関わる人々は地方ホールでの演奏会となるとクラシックでも初心者向けのイージーな所謂「名曲」が並ぶ企画を考えがちですが、高齢化社会を向かえた現代では、遠くまで足を運ばなくても本格的なクラシックコンサートが楽しめることを望まれている方々も多いのではないかと思います。
それを証拠に今回の演奏会に足を運ばれたお客様は比較的高齢の方が多く見受けられましたが、殆どの方が演奏中眠りこけたりせずに熱心に鑑賞されておりましたし、マナーも都心のそれと近いものはありました。
さらに今回はプラザウエスト主催企画としては初めて、ホール前のロビースペースにカフェコーナーが設けられていたのですが、都心のコンサートホールと同じサービスを受けられる事を喜んでおられる声をここかしこに耳にする事が出来ましたし、同じロビー内で先行発売された次々回の気軽にクラシックVol.6のチケット(これも割とクラシックファン向け)も出足が良かったようです。
潜在的なニーズを掘り起こしたと言う意味でも今回のコンサートは次に繋がる良い演奏会だったと思います。

次はVol.5、読売交響楽団メンバーによるニューイヤーコンサートです。チケットかなり売れていますのでお早めにお買い求め下さい。
ちなみ先行発売したVol.6はこちら。東京フィルメンバーによる古楽器も使ったディヴェルティメントの世界。


在京オーケストラメンバーが魅せる「気軽にクラシック」Vol.6
東京フィルハーモニー交響楽団メンバーが奏でる
音楽の喜悦 ディヴェルティメント
出演|藤村政芳(vn)/永澤菜若(va)/武澤秀平(vc)
   小室昌広(cb)/佐々木萌絵(fl)/塚田 聡(hr)
日時|平成24年3月11日(日)開演 14:00
場所|プラザウエスト さくらホール
料金|全席指定 2,000円 ※未就学児不可