エール

大学の後輩クンを《とある雑誌の編集見習》に紹介してから1ヶ月半が経ちました。その間に雑誌を1冊作り終えて、今日は次号の編集会議でした。
この編集会議には、ボクが学生時代に同じように見習いとして働いていた雑誌の編集長も外部エディターとして加わっていて今日は席が隣同士でした。かつてボクは彼の下で「otoshimo〜no、デザイナーさんに原稿渡してきてー」「otoshimo〜no、読者ハガキの整理ヨロシク〜」などと日々慌ただしく過ごしていましたが、今は彼はウェブコンテンツのプロデュース、ボクはデザイナーと、それぞれのプロフェッショナルとして仕事に取り組んでいます。
今日は後輩クンも同じように、この雑誌の編集長の下で、ボクたち外部スタッフに飲み物を出したり、彼がまとめた読者アンケート結果を皆に配ったり、ドキドキしながら会議の書記をしたりしていました。
ふと、ボクもかつて外部エディターさんやデザイナーさんにキンチョーしながら受け渡ししたりドキドキしながら取材に同行したりしたこと、シッパイして編集部の皆さんに叱られたこと、ことのほか上手くいって褒められたこと、色んなことを思い出し胸が熱くなりました。今はこうしてデザイナーとして仕事をしていますが、あの編集見習の経験があったからこそ今の自分があるわけだし、あの時の経験はデザイナーとして色んな人と仕事をする時の経験値としてボクの中で大事な位置を占めています。
彼もこれから色んな経験を積んで、シッパイに凹んだり、出来上がった見本誌を眺めて喜んだり、本の売り上げや評判に一喜一憂しながら、多くの人と出会い、多くのモノを見つけ、多くのトラブルに出会い、モノづくりと人と人を結びつける喜びを分かち合いながら、この世の中を闊歩していくのだと思います。
出版は不況だ何だと言われるけど、興味を持ったモノを好きなだけ調べ、会いたい人にムリヤリにでも会い、言い事を言い、世の中に自分が見つけた驚くべき世界を紹介出来る、それはそれは楽しい仕事です。
そういうボクの新しい仲間になった後輩クンにエールを送ります。
ようこそ、出版の世界へ!