「忙しいときはもっと仕事を入れろ」

これは師匠の格言で、ボクも遵守して生きております。
しかし、これはかなりスリリングでして、近い締切りより、さらに前に締切りがある大急ぎの仕事を入れたりするんです。
するとイイ感じでテンパッてきて口の中にヘルペスが出来たり、頭が絶えず混乱してキッチンでアイス珈琲を淹れるつもりが何故かトイレに入っちゃったり、マウスを握る人差し指だけが腱鞘炎になったり、相方が知らず知らずの間に大激怒していたりします。でも発想はだんだん滑らかになっていく。時間がないのにわざわざ面倒くさいイラストや地紋の作成や撮影を始めちゃったり。良いものが出来る確率が増えるんです。
でもこれを通り越すと、今度は記憶が飛んじゃって自分のした仕事を忘れてしまいます。自分はそれでも問題があまりないのですが、クライアントさんとの会話が成立しなくなります。
「先日は○○○の装丁ありがとうございました」
「え! あ、ハイ、こちらこそ、有難うございます(何の仕事だっけ)」
「あの文字組、絶妙でしたよね。バシッと決まったなぁ。」
「いゃあ、ははは。なかなかの力作でしょ(えぇとえぇと)」
「次も期待してますよ、otsohimonoさんのデザイン、好きですから」
「ありがとうございますっ!(あわわあわわ)」
という感じで、褒められているのに大変申し訳ないことになるのです。
このレベルは出来るだけ避けたいのですが、この夏は何かそうなりそうな予感・・・。