絵画館


連日の東京詣でですが、夕刻にemixと信濃町で待ち合わせて暑気払いの予定です。先入りしているボクは少しそれまで時間が出来たので千駄ヶ谷から神宮外苑まで散歩がてら前々から興味のあった聖徳記念絵画館に行ってきました。
明治維新の欧化政策と明治天皇の偉業を日本画と西洋画の連作にして展示するために建てられたというその発想そのものが国家というものに対する時代の考え方が反映されています。建築物の圧倒的な大きさと壮麗さで観る人を心理的に威圧していく方法論は権力の常套手段ですが、それが大日本帝国という「国家権力」の表現だった時代が日本にもあった訳です。靖国神社しかり、国会議事堂しかり、東京駅しかり、そしてこの絵画館しかり、です。
国家権力自体が不信感と弱体化を見せる現代において、こういった表現は不可能であろうと思います。ボクはそれが良いとか悪いとか言っているのではなく、移りゆく世の中にあって国や集団や個人に対する考え方が時代時代の建築物に反映されるのだ、ということです。
ただ、こういう建築物を観て、その時代や力をノスタルジーやカタルシスで語るのは危険である、とは思います。
さて勿論開館時間内でしたので中も拝見してきました。名画かどうかは全く別として、大政奉還とか、西郷隆盛と勝海舟の会談とか、明治天皇の江戸入場とか、対バルチック艦隊戦とか、子供の頃に社会の教科書で見た絵はここにあって、しかもこんなにデカイのか、と妙に感心しました。