姿勢

最近出会った非常に力がある駆け出しのとあるイラストレーターさんなのですが、自分の力の至らない所や無知な所も包み隠さず学ぶ姿勢があり、しかもレスポンスがとても早いのです。
こういう方は色んな意味で得をします。その人の将来のためになるならと、こちらも手順を教えてあげたり、代わりに交渉を進めてあげたりしたくなってしまうからです。彼女のお師匠である(今回彼女を紹介していただいた)イラストレーターさんもそういう方です。
最初は版元さんから「何となく装丁にこういうイラストが欲しい」と始まった企画が、その完成したイラストを見た著者さんが大変気に入られ、奮起して原稿にさらに手を入れて本そのものの完成度が上がったり(そのため予定より出版が遅れてしまいましたが)、ここに別カットを追加して欲しい、その絵を他の場面でも使いたい、と連鎖的に広がりを始めたのです。彼女のイラストの力も勿論の事、その都度その都度のクライアントの要望に対しての彼女のレスポンスと真摯な姿勢が皆に伝わるからです。これが結果的に皆にとって良い仕事に繋がる。こういう起爆剤になったのです。
世の中には(特にボクたちの業界というのは)ボクを含め偏屈で不器用な人が多く、それが故に遠回りをすることが多々あります。遠回りがけっして悪いコトでなく、また違った経験値を得られます。しかし、こういった広がりを見るにつけ、素直で真摯で貪欲な姿勢というのは本人だけでなく周りも幸せにするのだなと思い知らされます。