著作権教育の第一歩

装丁した本の紹介を最近あまりさせて頂いてないのでここで一つ。

「著作権教育の第一歩」という本の装丁をさせて頂きました。イラストは江口修平さん。
この本は《先生のための入門書》と銘打ってある通り、指導する立場の教師に読んでもらうための本です。著作権教育以前の問題として、著作権に関する意識が低くなりがちなのが教育の現場です。それは主に学校の現場に限り、学習目的での複写や引用がある程度まで認められていることに起因すると思われます。
日本の殆どの教員が小中高大(や専門学校)と進んでそのまま学校の現場の職に就いているものですから、自分たちは生まれてからずっと学校から出た事がない、社会の現場を知らないのに、世の中について教えなければならないという珍妙な環境下にいるという自覚が少ないと思います。
つまりずっと著作権的には例外の中でしか過ごしていないのですから、実社会と教育現場の境界線が非常に認識しづらいわけです。
創作物や教育現場が著作権に雁字搦めになって身動き出来ないというバカバカしい事態はマッピラ御免ですが、教員の方々には、「実社会で現状、何がNGで何がNGでないのか・それはどう考えられているからか」「それで教育の現場ではどう対処し・児童や生徒にはどのような見解で指導していくのか」という事くらいはちゃんと理解して説明出来るくらいではいて欲しいわけです。その上で個人としてどういう見解を持つかは別問題な訳です。ここは公私混同させてはいけない(ところがここを混同しがち)。
教育現場の方々には是非読んで頂きたいです。

先生のための入門書 著作権教育の第一歩

先生のための入門書 著作権教育の第一歩