櫻二題

朝早く、花見客で埋まってしまう前に与野公園の桜を見に行きました。

与野公園はけっこう古くて開園は明治10年(1877年)。しかし公園内にあるものはもっと古くからあるものらしく、この弁天池の中にある銭洗の泉も畠山重忠が刀を洗ったという所縁があるので、本当なら800年前からあるし、となりの富士塚(スリバチ山)も安政7年(1860年)なので少なくとも153年前。すぐ側を通る与野の本町通が旧鎌倉街道である名残がここにもあります。

ソメイヨシノというのはほぼ全て同じ遺伝子を持つクローン植物なので、いっぺんに咲き、いっぺんに散ります。不老不死の夢の技術が実に儚いモノだということを物語っているかのようです。
さて、今回の写真は撮影後に色彩の加工を施してあります。池の写真は歴史の積み重なりを表現するために複数のレイヤーに分けた後、別々のエフェクトをかけて重ねていった昔の絵はがき写真風、桜の写真は儚さを表現するために彩度やカラーバランスを調整し、墨絵の世界観を出してみました。
同じロケーションでもテーマやアングルを変える事で、色んな表現が楽しめます。