すごく込入ってるけどどうでも良いっちゃあどうでもいい話題


私と繋がっているフォントに割と詳しい方に質問のような、質問でないような話題をひとつ。(多分大方の人が読んでもツマラナイと思います)
今、友人の結婚披露宴のデザイン周りを作っています。新郎新婦は共に小学校の教諭をやっているので、そのパロディみたいなデザインを考えているので、書体には学参フォントを使用しています。
で、先日、席札の校正を出したらワタナベのナベは邉なので《しんにょうを二点しんにょうにしてください》と来たんですね。フォントに詳しい方はご存知だと思いますが、楷書体系である教科書体の場合、しんにょうの形状の解釈って微妙な訳です。こと、「邉(新字体:辺/正字体:邊)」のモリサワの学参常改教科書体はどの異字体にも二点しんにょうは用意されていない訳です。これはモリサワの主張はごもっともな部分もあるわけです。
まぁ、そもそもしんにょうの成り立ちを乱暴にすると「辵(チャク)」が変形して彡の部分がひっついたりはなれたりして現在のしんにょうに至るって感じで、これは専門家には釈迦に説法な訳ですが、専門外の人にはスンゲー難しい話でして。多分小学校の教諭(しかも大学では国語専攻ではなかった)にとってもチンプンカンプンかもしれません。
しかも披露宴に招待するお客様の名前です。無下にも出来ず。
それで回避案を考えているのですが、画像(1)のママで「お宅はそう仰るがこの字形的には間違いじゃぁねぇし、そもそも平成22年内閣告示の改定常用漢字表にはだなぁ」っていうのは揉め事の元になるし、画像(2)はまかり通ってる回避例だけどけっこう専門家では物議を醸し出しているウソっぽい形で何だかオイラがモヤモヤするし、画像(3)は何だか折衷過ぎるし弱っちいし、画像(4)はモリサワ学参常改教科書体の(しぶしぶ作ったと思われる)「遡」で採用したウソっぽくない楷書の2点しんにょう造形を採用してみたものの見慣れない感じで当の本人に首を傾げられそうだし・・・
とツマラン話で悩んでいます。
じゃぁ、教科書体にするのやめちゃえよ、という意見があると思うのですが、この1字のためにデザインの主旨を曲げるのも本末転倒なんですよねぇ。