トミさん


それにしても、今年は私の人生の岐路で道を示していただいた方々が次々と天に召されてしまう。その中でもバンドピープル初代編集長・トミさんこと、冨田尚義さんは格別である。
私が学生だった当時、指揮の近藤久敦さんを通して吹奏楽雑誌「バンドピープル」のイラスト描きのバイトとして私を雇ってくださったのがトミさんで、私が就職留年していた頃にフルタイムで編集バイトで雇って頂いたのもトミさんで、やっと決まった就職先が大学卒業1週間前に倒産した(!)際、後に私のデザインの師匠となる志岐滋行さん(故人)を紹介して下さったのもトミさんだった。
当時、世の中に対して全く自信を失っていた私に「シモーノはデザイン向いてると思うよ」って後押しして下さらなかったら、師匠の超キビシー修行にも耐えられなかったと思うし、その後の出版関係の皆さんを始め、音楽家の皆さんとの出会いもなかった訳だから、本当に幾らお礼を言っても言い足りないほど。私の人生はトミさんとシキさんに拾って頂いたようなもの。
とはいえ今頃、天界の師匠の事務所に行って「シキちゃんさぁ、こっち来てみたらマシマさんもチハルちゃんもいるしさ、ついこの前はアライくんもきたし、バンピ、こっちで復刊しようぜ。またカンヅメにするけど、そこんとこヨロシク! ギッシッシ」って無茶ブリしてんじゃないだろうか。そしたら志岐さんも「うへぇ! そんじゃあジャックダニエルとホヤおごってね。クックック」って笑うんだろうなぁ。