そんなことはない

我々作り手・送り手の発言というのは、とても注意しないと「上から目線」に捉えられて却って反感を買ってしまう場合がある。同業共通の悩みであれば「そうだそうだ!」と思うことも確かに多い。でも「そんなことはない!」と考える人のことも想像しなければならない。「そんなことはない!」という人が我々の意図や実情を誤解しているのであればその誤解を丁寧に解かないとならないし、真っ向利害関係がぶつかるのであれば対等な取り交わしや決め事をしなければならない。時には、なぜ「そんなことはない!」と言っている(しまう)のか耳を傾け、相手の実情や背景を知ることも必要だ。
「ゲージュツが分からない奴はおとといきやがれ」の時代ではないのだ。我々が萎縮するのが一番ダメなことだし、おおらかさのない難しい時代だが、根気よく踏ん張るしかない。表現の自由はそうやって勝ち取っていくしかないのだ。