陰謀論鑑賞

昔から趣味は陰謀論鑑賞なのですが、その魅力は、全て起こった事象のみに対して訳知り顔で説かれる、後付け神話のアクロバットにあります。
 
学術の世界では仮説を実証するために、考えうる全ての事象を以て仮説を否定する検証を念入りに行います。それでも崩れないことを示してやっと肯定できる。しかし陰謀論者は全ての事象を仮説(結論)を強化するために使います。手品の手法です。
 
面白いのは、陰謀論者は自分が語っている物語を事実だと信じてしまうこと、つまり、手品師が自身の手品に騙されている事に気付かないところにあります。なので、彼らに「それ違うよ」と諭しても無意味です。「あなたは何も知らないのだ」と激しく反発されるだけです。
 
陰謀論というのはリアルとファンタジーの狭間を鑑賞するものであって、他者の陰謀論にけっして口出ししたり、諭したりするものではありません。ましてや同調したり自分から言い出すものでもないです。