種明かし(侍BRASS 2020)

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さて、虚実入り混じった文章を前のエントリでお届けしてきましたが、実際、半年ぶりのさいたま市脱出、半年ぶりの鉄道、半年ぶりの東京で、初台の東京オペラシティ『侍BRASS 2020《十五回憶録》』に伺ってまいりました。
立ち上げからデザインに関わらせていただいて15年になりますが、デザイン制作も2011年に迫る戦々恐々とした世相の中、状況は刻一刻と変わるものですから、その度に二転三転する作業となりました。オペラシティの広報担当と印刷所の皆さんの対応にとても助けられました。また情報リリース後も非常に宣伝が難しい公演でした。何しろ本当に開けるのか誰も確信が持てないのですから。
そんな中、開催を信じてご来場いただいたお客様、本当に有難うございました。そして、何よります素晴らしい演奏を抜群の集中力で聴かせてくださったアーティストの皆様、数々の難関を乗り越え現在できうる限りの対策で演奏会開催にまで漕ぎ着けた東京オペラシティ文化財団とスーパーキッズのスタッフの皆様、それをご理解され支え続けていただいた関係各所の皆様の努力に惜しみない拍手を関係者ながらお贈りします。
前の投稿では半分、近未来の秘密会議のような怪しい描写をさせていただいたホール内の対策ですが、実際は、フェイスシールドと手袋に身を固めたスタッフの皆さんの暖かくもテキパキとした対応に大変感心しました。
入り口での案内、入場前の手元レーザー型体温計による検温、チケット対応、座席指定の方法、座らないシートの表示方法、開演前の案内、物販とサイン会の開催見送り(この公演はこれがかなり大きな要素なため、さぞ悔しかったと思います)、座席番号と氏名と連絡先を明記したカードの提出方法(個人情報の取り扱いに関する説明)、丁寧で細やかな対応に脱帽です。とても気持ちよく演奏会を楽しむことが出来ました。
また、ステージも最新の飛沫防止研究結果に基づいた配置(横の距離幅は気持ち広めくらいにして、前方は大きく開けるためステージ深くに合奏体を配置)方法も納得がいくものでした。
そして、何と言っても、やはり生演奏は良い! 直接身体に飛び込んでくる音に込めた表現を感じられることは、何事にも変えられません。確実に涙腺が刺激されました。
私も三週間後にはお客様をお迎えしての公演を控えておりますので、非常に良い知見を得ることが出来ました。今週はホールとの打ち合わせもあるので、ガッツリ良いミーティングが出来そうです。
最後に、公演中のマスク着用なのですが、着用していると喉が乾燥しないので咳が出にくくなり、案外良いぞ、と思ったことを添えておきます。
 

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会場前は、全く密ではございませんでしたよ。私は今日か遠近法が駆使されたこのエンタランスの設計がたまらなく好きです。

 

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着席する席の指示と、クラスター対策のためのシート(書き込み用ペグシルつき)。

 

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着席しない席のための『心のリザーブシート』。座面の布の色に合わせた良いデザイン。