「ここはデザインをお願いします」

ラフデザインを提出したところ先方からの指示に「ここはデザインをお願いします」と書かれた箇所がありまして。デザインとは情報の整理整頓と最適化です。デザインされてない所はないのです。この方にとってはデザインというのは「飾る」ことなのでしょうが、この考え方は喩え編集者であっても危ない。

加えていうと、編著・担当者が修正指示に具体的なビジョンを示さず「ここはデザインをお願いします」「別案の可能性もありますでしょうか」などと発言してしまう場合、ディレクションを放棄してしまっているに等しいし、デザイナーと一緒に創作するという姿勢が見られず、結構ヤバいと思いますよ。

喩え最終的な決裁権が上長にあるのだとしても、直接の担当者の仕事に対する前のめりな熱量は本当に大事だし、そういう熱を持った人がやっぱりメキメキと頭角を表してきますよね。出版や表現芸術の世界においてノープランや無難な判断や指示待ちは仕事の質を劣化させます。

この投稿は個々の事例として書いてはいますが、こういうケースは昔から度々経験してきたことです。良いエディター/ディレクターというのは具体的な行き先を示せる人です。いわば船長です。そしてデザイナーは船大工です。その航海に耐えうる装備の丁度良いサイズの船を作るのが仕事。