チェシャねこ風パルティータ

須川展也さんのブログにも書いてありましたが、先週末はピアノの小柳美奈子さんとパーカッションの山口多嘉子さんのデュオ「Pas de Chats」のファーストアルバム発売日でした。
「ぱどぅしゃ」とあるフォルダに収まっている一番古い書類の日付が今年の6月8日ですから、実に3シーズンのおつきあいになりました。
今回のスーパーバイザーを務めた作曲家の吉松隆さんは玄人はだしのイラストレーターでもあります。デザインにヒジョーに厳しいー。意気揚々とラフデザインを見ていただいては蹴られ、見ていただいては蹴られ、夏は過ぎ、秋が来て、「チキショー!ヨシマツー!イマニミテロヨー!」っと頑張ってようやくOKを頂いたのが今回使われているジャケットです。
ボクも吉松氏になりきって、ウィットとセンチメンタルが同居するアートワークを目指しました。
(やさしい小柳さんは、ボツになっちゃったラフデザインも全部気に入ってくれて「家に飾るんだっ」て持って帰ってくれたんです。ボツデザインよ、達者で暮らせよ。)
そして、今回写真を撮っていただいたのはカメラマンのUCHIDA MASAKOさん。
ボクのつたない説明を十二分に汲んでいただき、女性らしい、やさしい写真が上がってきました。ブラボーです。

このCDは、とにかく聴く程にかわいいし、美しく、せつない。
楽曲とプレイヤーが一体化したとき、表現はとんでもないレベルに達するのだな、と実感しました。
秋の夜長の冷たい雨の中、雪が静かに鳴っている冬、ゆっくりと訪れる春、シーズンが終わって誰もいない夏の終わりの砂浜、そんな風景の中でこの音楽を聴いてみてください。じわじわと幸せが訪れますよ。
また、なんでもない街の雑踏の中で聴いてみてください。風景が一変します。ボクは家への帰り道、これを聴きながらボロボロと訳もなく泣いたことがあります。

色々な人が沢山努力を積み重ねて、また今回も素敵なCDが出来上がりました。このCDのスタッフとして声をかけていただいたKOSEIレーベルの後藤さんには本当に感謝の心でいっぱいです。

チェシャ猫風パルティータ

チェシャ猫風パルティータ