イチオシはジェイコブ

otoshimono2006-02-19

今日は一日中家で仕事です。ダグラス・ボストック＆東京佼成ウインドオーケストラの「The Best of British, Vol. 3」のデザイン周りを制作してました。イギリスの吹奏楽の名曲・名編曲を紹介するもので、第３作めになります。
今回のウリは「海の歌」を入れて全４楽章で新たに録音された「イギリス民謡組曲／ラルフ・ヴォーン・ウイリアムズ」とフィリップ・スパークが学生の頃に初めて書いた吹奏楽曲「ガウディウム」ですが、ボクとしては「ジャイルズ・ファーナビー組曲／ゴードン・ジェイコブ」ですね。
ジャイルズ・ファーナビー、ブラス・アンサンブル愛好家ならご存知でしょう。あの「空想・おもちゃ・夢」のファーナビーです。もちろんこの曲も入ってます。
作者のゴードン・ジェイコブは音楽を勉強された方ならご存知、「管弦楽技法（ISBN:4276106915）」の著者ですが、吹奏楽曲としては「ウィリアム・バード組曲」の作者です。もっというなら、「ジャイルズ・ファーナビー組曲」も「ウィリアム・バード組曲」も17世紀初頭に編纂された「ザ・フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」という曲集が元になっている、いわば双子の兄弟です。
これらの曲はファーナビーやバードが書いた曲をジェイコブが編曲した、といえばそうなのですが、ジェイコブならではの冴えた楽想の取り扱いや、巧みで渋い楽器用法が光っています。単なる「トランスクリプション」や、素材をいじくり回してスゴいだろってかんじの「アレンジ」とは一線を画すものがあります。
さぁ、これらの楽曲をボストックがどう料理するか、聴きものですよ。
ジャケットのイラストがあがってくるのが今週の半ばなので、今日は前二作をご紹介。イラストは良知高行さんです。バックカードの犬を連れたボストックがポイントです。ボクも良知さんも犬好き仲間です。