潮の薫りがした

朝、家のドアを開けたら、雨が降っていた。
海から何十キロも離れてるのに、潮の薫りがした。
夏に向かう雲は、こんなに遠くまで海を連れてくる。
いつ止むともしれない憂鬱な雨と雨との間に
まだ見ぬ夏の夢をしみこませる。