時間の流れ方

さて、ボクの日常が本格的に戻ってきたのですが、不思議だなぁと思うのは時間の経ち方。
静岡に帰省していた時は、何を食べても、何を読んでも、フルート吹いてみても、テレビ見てても、ちっとも時間が進まなかった。「あれ、まだ昼になってないよ」なんて毎日思ってた。
ところが東京に戻って来たら時計がビュンビュン廻る。朝オフィスに来て仕事を始め、はっと顔を上げたらもう夜! えぇ〜っ、と思う訳です。
こんな時に思い出すのがミヒャエル・エンデの「モモ」です。このお話は「灰色の男たち」によって盗まれてしまった人間たちの時間を、不思議ちゃんのモモが、マイスター・ホラという時間の仙人とカシオペイアという予知能力のあるカメの助けを借りて取り返すファンタジーです。「灰色の男たち」は時間を貯蓄するサービスのセールスをして、人間たちから時間を騙しとって行きます。結果、人間たちは忙しくなるばっかりで心の余裕の無い生活を送ることになります。
ボクも昔は「灰色の男たち」に時間を奪われているんじゃないかと思ったものです。でも、それって心の持ち様で変わってくる。実は「灰色の男たち」って自分自身の鏡です。自分から心の余裕を取り去っているのは自分。自分の行動に責任を持たず「誰かにいつも何かをやらされている」「誰かから<やらされていること>の対価として報酬を貰っている」って考えていると何時までたっても何からも解放されない。
自分の行動に責任を持って、いや根拠のない自信かもしれない。兎に角それを持って「自分から常にアクションを起こしている」「自分のアクションに対する感謝の気持ちを有り難く受け取っている」って考えれば、どんなに時計がビュンビュン廻っても大丈夫。だって時計が回った分だけアクションを起こしているもの。「あなたのつけ た足跡にゃ、綺麗な花 が咲くでしょう。」ってね。
静岡ではユックリと自分の時間が、東京ではビュンビュン自分の時間が流れている。トリッキーで人生って面白い!

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))