才能

すずめの太郎ちゃんは、空からお池を眺めていました。
「いいなぁ、カエルの鈴木さんは。水の上と中を往ったり来たり。ボクも泳げればいいのに。」
それから公園に目をやるとビーグル犬のトンちゃんが飼い主さんと遊んでいました。
「トンちゃんはスゴイなぁ、あんなスピードで走ったり跳ねたり。ボクにもあんな脚があればなぁ。」
それから街角を見るとオサルの北大路さんがお師匠さんと、みんなに芸を見せて喝采をうけてました。
「北大路さんは頭いいし人気者だし素敵だなぁ。それにひきかえボクなんか、小さいし地味だし何にもできやしない。」
でもみんなは、そんな太郎ちゃんを見上げながら言いました。
「あぁ、ボクもあんな風に自由に空を飛べたらどんなに素敵だろう…」