秋山先生の宇宙

午前中、書籍の制作に関するご相談に、秋山紀夫先生のお宅へお伺いしました。前にお伺いしたのは一昨年前の夏でしたから、随分と久しぶりです*1。勿論内容は吹奏楽の本。事前に内容はメールでやりとりをさせていただきましたから、先生の方で予め主旨に沿った資料をご用意されてました。
先生の用意される資料というのは半端じゃなく貴重な物ばかりです。古い物は昭和12(1937)年初版の「樂器圖鑑(近衛秀麿・管原明朗/清教社刊)」、1961年刊の「THE WIND BAND(Richard Franko Goldman/Boston: Allyn & Bacon)」はあのゴールドマン博士*2の直筆サインと一緒に撮った写真入り!、「THE WIND ENSEMBLE AND ITS REPERTORIE(FRANK J. CIPOLLA & DONALD HUNSBERGER)」もハンスバーガーと恩師フェネルのサイン入り、新しいものは昨年10月に出版されたばかりの「ON BECOMING A CONDUCTOR(Frank L. Battisti/Meredith Music Pubns)」という素晴らしいバンドディレクターのためのテクニック集。これは昨年末のミッド・ウエスト・バンド・クリニック*3で購入されたものだそうです。日本にはほとんど入ってきてないと思います。ほかにも世界の吹奏楽団の写真集や音源など盛りだくさんです。
先生の書斎は、もうそれだけで日本と世界の吹奏楽の歴史であり、ひとつの宇宙です。先生の研究されてきた成果をきちんと形にして残していくことは、ボクたちの使命のひとつだなぁと、「今日は本たちも喜んでますよ」と楽しそうに紅茶を飲まれる先生を見ながら思ったのでした。
そんな話と一緒に、最新式の台湾の新幹線の話を、模型を持ちながらしていただきました*4
「勿論何回も乗りましたよ。全然ね、揺れないんですよ車体。」ともっと楽しそうな先生。
そういう79歳にボクもなりたい。

*1:id:otoshimono:20060722

*2:エドウィン・フランコ・ゴールドマン(1878〜1956)。アメリカのバンドマスター。スーザやフィルモアなどの様に自ら主宰する吹奏楽団で当時の音楽シーンを牽引した。ABA(アメリカ吹奏楽指導者協会)を創設し、吹奏楽のグローバル・スタンダード化に道を開いた。詳しくはここ参照。

*3:毎年シカゴで開催される世界最大の吹奏楽見本市

*4:先生は若い頃、陸軍や運輸省などで技師をされていたため、乗り物が大好きなんです