ミッドウェスト

出演者のうずこさんに誘われアンサンブルリベルテ吹奏楽団の第37回定期演奏会へ。指揮は福本信太郎さん、客演指揮にユージーン・M・コーポロンさん。
今でこそ市民バンドとしては日本で屈指の実力を誇っていますが、どのバンドにも創設期や転換期の苦労はあるものです。思い起こせば19年前、ボクは共に吹奏楽コンクール全国大会初出場した母校の大学とリベルテの楽器を満載した11tトレーラーに同乗させてもらって、北海道へ旅した頃からのお付き合いです。
それからリベルテは全国大会連続出場、初演曲の流行、数々の招待演奏や海外遠征、そしてCDのリリースなど、日本の市民バンドとしてのステイタスを次々と実現していきました。
さて、そんな彼らが創団30年を前に日本のアマチュア市民バンドとしては新たな快挙を成そうとしています。毎年末シカゴで行われる世界最大級の音楽見本市「ミッドウェスト・クリニック」の舞台に上がることが決定したというのです。
これはコネクションとか、金を積めばとか、そういう問題で出演できる代物ではありません。世界でも安定した実力と実績を積んでいる数多くのバンドの中から厳正な審査により選出されるのであり、過去に日本から出演したのはプロフェッショナルである東京佼成ウインドオーケストラ、スクールバンドでは武蔵野音楽大学ウインド・アンサンブルや埼玉栄高校吹奏楽部などです。これは本当にスゴいことなのです。世界の吹奏楽界でも最大級のステイタスです。
日本の吹奏楽界では名が売れて久しい楽団ですから、皆さんの憧れも嫉みもあります。善きにつけ悪しきにつけ色々ご意見もございましょうが、この事実は褒め称えられるべきです。日本の市民バンドのレベルの高さが認められた事にもなりますからね。団長のkoshiさんはじめ、団員、指揮者、関係各位のここまでの本当の努力の賜物だと思います。
しかもこの招待演奏、渡航費・滞在費は全額自己負担なんです。主催者が出してはくれません。そんな不利な条件だとしてもそれ以上の名誉がこのステージにはあります*1
是非アメリカで、日本の市民バンドの力強さと開拓精神の旺盛さ、欧米の真似事ではない日本の吹奏楽を演奏して欲しいと思います。

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数年前、デザインさせていただいたCDです。ボクがデザインしているCDの中で、市民バンドのアルバムって、今のところ多分これ一枚。

*1:ボクは2002年に東京佼成ウインドオーケストラがミッドウエストに出演した際のデザイン周りのお仕事をさせていただいてますから、プロフェッショナルバンドでさえも沢山のご苦労をされていたのを身近に体験しています。パンフレットひとつにとっても欧文の物をこちらで作成しなければならなかったのです。この時はスケジュールが合わず、同行出来なかったのが本当に残念でした。